2016年5月27日に歴史的な出来事が有りました。
世界で唯一核兵器を使用した国、アメリカのトップリーダーと、世界で唯一核兵器の被爆国で
ある国、日本のトップリーダーが、戦後７１年の時を経て、被爆地「広島」にて握手し、オバマ大統領
と被爆者が「ハグ」できました。太平洋戦争での日米開戦の一区切りとなりました。

アメリカ国内に根強い反対論の有る中、毅然と広島を訪問したオバマ大統領には、心より
敬意を表します。予定を上回る長文のスピーチにも、とても感動しました。
リアルな同時通訳では、なかなか伝わらない所も有りましたが、翌日の新聞で全文を読むと
その崇高な思想に、思わず涙が溢れてしまいます。
激しく敵対した日米両国が、戦後７１年の時を掛けて恩讐を越える事ができました。
今回のオバマ大統領広島訪問に際し、もはや「謝罪」を要求する機運は有りませんでした。
（広島での世論調査では、謝罪要求主張は１４％の少数でした）
被爆地の市民や被爆者たちは、謝罪よりも「核無き世界」を共に目指す事を望んでいます。
安部総理もとても良いスピーチをしていました。その精神にて、ハワイの真珠湾や、中国の
南京を訪問し、オバマ大統領のようなスピーチをしてもらいたいものです。（中国は厳しいかも・・）
戦時中の日本政府は、軍部が支配していたために、戦後になって各国から日本軍の虐殺や
理不尽な行為を指摘非難されても、軍部が資料を処分したので、事実を確認できない。だから
謝罪もできない。とのスタンスを現政府は長年取っています。従って、日本の支配下にあった
アジアの国々と、すっきりした関係が取れていません。今でも、中国や韓国とちょっと外交がくすぶると
戦争責任や謝罪の話がぶり返します。儒教の影響を受けた国は面子を重んじるため、欧米人
と比べ謝罪する事が下手です。
日本が武力にて侵略行為を行った事実には間違い無いのだから、謝罪する勇気を持って欲しい。
（当時の日本は、侵略では無く、欧米諸国からアジア諸国を解放する戦争と主張しています）

私が印象に残ったのは、オバマ大統領のスピーチの中で「ヒバクシャ」と表現した日本語の部分です。
核爆弾による被害者は、世界に日本人しかいないので、英語の表現が無いのです。
「被爆者」との表現が、未来永劫に日本語だけに留まる事を切に願います。
「広島と長崎は、原爆が投下された地では無く、人類が道義的な目覚めをした地だ」
と、オバマ大統領はスピーチを締めくくりました。そうあって欲しいものです。