安全神話の崩壊
2016/04/23
あまり大々的に報道されておりませんが、今回の「熊本地震」では重大な
問題が提起されました。
それは、建築基準法の根幹に関わる問題です。
阪神大震災において、昭和57年改正前の建築基準法(旧耐震構造)にて建築された
建物が次々と崩壊致しましたが、改正以降(新耐震構造)の建物は倒壊しませんでした。
この事より、政府は新耐震構造による建物への転換を推奨し、旧耐震の建物についても
各自治体と共に、大規模な補助金制度を実施し、耐震補強を推進してきました。
5年前の東日本大震災においても、津波被害を除き、震度だけでの倒壊は無く、この基準の
信頼性を立証致しました。(日本の最大震度7は、阪神・新潟中越・東日本大震災の3回計測)
ところが、今回の熊本地震は、4回目の日本最大震度7や震度6強等の強い揺れが断続的に発生する
地震でした。この地震により新耐震構造の新築や築浅建物が崩壊し、新耐震構造の建物も
倒壊する事を、奇しくも証明してしまう結果となりました。
政府の圧力があるのか分かりませんが、マスコミも大きな話題としていませんが、建築業界に
とっては大問題です。安全の拠り所を失い、今後の政策にも影響が出る事でしょう。
当然の事ながら来年あたり、建築基準法の改正が行われると思います。
更なる厳しい基準が施されるとおもいますので、建築コストはかなり上昇するのではないかと
思います。本震と余震による断続的な強い揺れに対応するには、「耐震」ではなく「免震」を
採用しなければならないかもしれません。大規模なビルだけでは無く、戸建ベースへの免震構造
の導入なら、数百万円以上のコスト増となる見込みです。(キラーパルス対策)
お金より「命」が大事なのはわかりますが、新築が高嶺の花となれば、需要が縮小する事は
否めません。
又、30年以内に70%の確率で発生が予測されている「首都圏直下型地震」は、今回の
熊本地震と同じ性質です。新築のみならず、既存建物への対応も考慮しなければなりません。
せっかく実施してきた「耐震補強」だけでは安全でないのなら、どんな対策をすべきなのか?
政府や国交省は、早期に指針を出さなければなりません。「災害に強靭な国家を創る」のが
安部政権の公約です。
国と民間が一体となって、地震対策を行わなければ、我々に安心・安全はありません。
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