不祥事相次ぐ「不動産業界」
2018/10/21
今週は不動産業界の不祥事が相次ぎ、このような信頼失墜を、私も同じ業界人として心配しています。
先ずは、地面師グループによる「巨額詐欺事件」です。
五反田駅近くの、相場価格100億円と言われる土地売買で、天下の積水ハウスが騙されました。
組織的な犯行で、本物と偽物の判別がつかないくらい精巧な「偽造書類」をねつ造されれば、司法書士や弁護士も騙されます。
私は、こんな巨額の取引をしたことは有りませんが、過去に騙されそうな危ない取引を経験した事は何度かあります。(運よく見破る事ができました)
特徴としては、代理人や不動産に詳しい知人と名乗る第三者が関与するような場合は要注意です。
今回も、売主の代理人と名乗る「実行役」が主導して、本物の弁護士や司法書士も関与させ、巧妙に取り仕切っていました。
尚且つ、組織を構成して分業制にする事により、万一の場合は、自分も詐欺の被害者であると主張できる「逃げ道」も作っています。
不動産業従事者は、異様に安い・急いでいる・直接取引の要求・本人確認の曖昧さに注意しなければなりませんが、最も大切なのは仲介者としての「野生の勘」です。
何気ない会話の端節や、相手の雰囲気から危険や異変を察知する能力です。費用は掛かりますが、許認可を受けている仲介業者を介入させる事をお勧め致します。
次に世間を騒がせ始めたのが、免振・制震ダンパーのデータ改ざん問題です。
発注品質を無視した不正なダンパーを、長年に渡り供給し続けた業界トップシェアを誇る「KYB」が謝罪会見を行いました。
この問題は、過去の「耐震偽造建物事件」級の問題に発展しかねません。被害建物の数が尋常ではありません。
取り敢えず、公官庁建物のみ公表しましたが、現在建築中のオリンピック関連施設にも使用されており、大会までに間に合うかとの問題も発生します。
ましてや、公共施設よりも民間マンションの方が圧倒的に多く、マンション名が公表されれば、資産価値の減少は間違いなく、不動産相場への影響や訴訟問題も発生する事でしょう。
最も恐れる事は、今後の不正ダンパー交換工事には、巨額の費用が必要と見込まれ、信用を無くした「KYB」の株価も暴落し、賠償責任を果たす前に会社自体が倒産するかも知れません。
東京オリンピックを控え、建設業界は繁忙を極め、人手不足も深刻化する中、1000件にも及ぶ大規模建物のダンパー交換工事など可能なのでしょうか?
今後、大問題に発展する事でしょう。
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