「事故」の責任。
2022/05/01
北海道の知床半島での、観光船の遭難事故から1週間。沈没した船体は発見されたが、依然12名の行方不明者が発見されていない。
もしかしたら、現在ロシアが占領している北方四島へ漂流したのかもしれず、ウクライナ侵攻による経済制裁で「非友好国」となった両国間の連絡も難しく、今後の対応が心配される。
今回の事故の原因は、天候不良にも関わらず出航してしまった事に尽きるが、甚大な事故のために誰か責任者を吊し上げなければ、世間は収まらない。
当然ながら運航会社である「知床遊覧船」へ非難が集中する。日本人の悪い癖で「重箱の隅を突く」ようにあら捜しを行い、鬼の首を取ったように責め立てる。天候への甘い判断・無線機器の故障・サービスエリア外の携帯電話の使用・謝罪会見の遅さ・社長の無知や態度や利益重視の経営方針等など、事故を起こした後ろめたさから反論できない者を「生贄」とする。
事故を起こした会社の責任者は、世間が静かになるまでひたすら耐え忍ぶのみなのである。(顔を見せて謝罪しろと非難され、マスクからフェイスガードに変更した)
書類のみの審査で営業を認可している国交省も、事故を起こした途端に何人もの監査員を送り込み、役所に落ち度が無いことを証明するのに躍起となっている。
私も経営者であるが、例えば、強風で建築現場の足場が崩れて死者が出た場合、今回と同じような扱いを受けることだろう。依頼した下請け業者の落ち度であっても、元請け業者の社長であれば最終的な責任者となり、世間から経済的にも個人的にも集中砲火を浴びる事となる。これが経営者の宿命なのである。
遺族の心情は十分に理解できるが、どんなに安全に留意しても、自然や人間が関わっている限り何らかの「事故」は避けられない。不運と言えども余りにも悲しい惨事である。
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