日中国交正常化50周年。
2022/10/02
9月29日、日中国交正常化から50年を迎えた。政治的な思惑もあり、とても質素で目立たない記念式典がこじんまりと行われた。
両国のトップは参列せず、コメントを紹介する程度であり、中国側でも政府による大規模な式典は行われず、民間経済団体によるレセプションのみであった。
本来ならば、世界第二位と三位の経済大国で、歴史や文化でも深いつながりがあり、隣国である地理上の特性を考えれば友好関係が進化すべき両国である。
50年前、時の総理大臣であった田中角栄氏と、外務大臣であった大平正芳氏が、国内の反対勢力を無視して、相当な覚悟で日中国交正常化を断行した。
この政治決断は、50年経過した現在では両国にとって英断であったと言えるのかもしれない。
中国は、日中国交正常化以降に日本の資金や技術を供与され、奇跡の近代化と経済成長を成し遂げ、2010年にはGDPでも日本を追い越し、2030年頃にはアメリカも追い越す見通しである。
日中国交正常化は、両国の経済面では大成功かもしれないが、経済成長をした中国は軍事力増強や発展途上国への覇権政策など、日本の思惑と違う方向へ舵を切っている。
経済と政治は別物であるが、中国国民が豊かになれば自然と民主主義に傾倒するとの、西側の民主主義国の国々の予想は外れてしまった。
驚くことに、自分の国が民主的であるか?とのアンケートを取ると、中国国民の83%が「民主的」と回答したそうである。(一党独裁国家で選挙も無いのに)
日中国交正常化の歴史は、台湾断交の歴史でもある。中華人民共和国(共産主義国)も中華民国(民主主義国)も「正当な中国は自分だ」と二つの中国を否定している。
第二次世界大戦後の日米欧の民主主義国家は、同じ民主主義を主張する中華民国を正当な中国と認め、国連でも常任理事国としていたが、圧倒的な国民数と国土面積を有する中華人民共和国を認めざるおえない状況となった。しかし、国としての中国は中華人民共和国であるが、台湾はその中国を牽制するための勢力として中華民国を重要視している。この曖昧な対応に中国は承服できないのが現状である。
資源の無い日本にとって、台湾海峡は重要なシーレーンであり、ここが中国のものになれば外交的致命傷となる。アメリカにとっても経済発展が見込める東南アジアへの、重要な通航路である台湾海峡に影響力を維持したいので、世界最大の第七艦隊を配備しているのである。二つの中国は表向き認めないが、裏では一つになってもらっては困るのである。
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