５月１９日より、「G７広島サミット」のメインイベントである首脳会議が行われる。

今年の議長国である日本にて、各世界的な課題について各担当相による会議が日本各地で行われている。世界をリードする先進国が、今後の世界の進むべき方向性を協議しようとの趣旨である。

中国やロシア等の権威主義国や、その他の発展途上国にとっては迷惑な「独りよがりの会議」かもしれない。岸田首相は「力による一方的な現状変更を許さず、法による国際秩序を遵守すべき」と何度も訴えているが、この「法」を決めているのがG７サミットである。中国やロシアは「西側が勝手に作った法に従う義務は無い」と反発しているのが今の世界情勢である。

日本に世界の主要先進国のリーダーが一堂に集うので、警備上のトラブル等が発生する事無く、無事に終了してもらいたい。（会議場は警備しやすい島のリゾートホテルで行われる）

最近の岸田外交は絶好調である。戦後最悪と言われた日韓関係も修復し、戦時下のウクライナの首都キーウへも電撃訪問して男を上げた。

低迷していた国内の支持率も上昇し、テレビのバラエティー番組にも出演して、庶民的なアピールも欠かさず好感度を上げている。

すっかり調子に乗ってしまい、アメリカの有力紙である「タイム誌」の表紙に載り痛恨のミスをしてしまった。（悪人面の写真と軍事大国に進むとの見出しチェックを怠った）

日本政府が慌てて抗議をして、軍国主義的な内容の見出しは訂正される事となったようだ。本来、見出しと本文の内容に乖離があったようだが、センセーショナルな見出しで購買意欲をそそるのが雑誌の宣伝方法である。

今回のG７サミットの注目点は、G７各国首脳が「揃って原爆資料館を訪問見学するのか」だと言われている。核兵器を保有するアメリカ・イギリス・フランスが、資料館見学に難色を示しているとの報道もあります。

地元が「広島」選出の衆議院議員でもある岸田首相が、世界の核兵器保有国のリーダーを引き連れて、被爆地である広島でサミットを行い、原爆の悲惨さを見せつけ、生存する被爆者と面会させる事が実現するのか？

過去に何度も日本でG７サミットが開催されたが、被爆地で首脳会議が行われるのは初めてである。核保有国のリーダーを揃えて、核兵器による戦没者を追悼する事は核兵器廃絶をアピールすのに絶好の機会であり、日本の外交の大手柄とも言えるだろう。

岸田首相は「外交の岸田」を全面的に打ち出しているので、是非とも「面目躍如」してもらいたい。この外交成果を引っ提げて、早期に解散総選挙に打って出るかもしれない。正に岸田政権の正念場を迎えようとしている。