科学的根拠より「イメージ」が重要か?
2023/07/09
東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」の海洋放出計画に関し、国際原子力機関(IAEA)の包括報告書が公開された。
国際機関からのお墨付きを頂き、いよいよ処理水が海洋放出される事が現実となってきた。
海洋放出は、これが世界でも初めての事ではない。実は世界中の原子力発電所が、日本の数値以上の放出を日常的に行っている。
問題となっている「トリチウム」は、確かに放射性物質ではあるが、大気や雨などの自然界にも存在し、半減期も12年と短く、生物や人体への蓄積も殆どない。
科学的には今回の海洋放出は、影響を無視しても良いことを立証しているが、世界最大の原発事故を起こした「福島第一原発」の汚染水を処理した「処理水」という事でイメージが悪い。
たとえWHOの飲料水基準値以下に処理していると言っても、汚い・危険なものとのイメージが先行して風評被害は避けられないであろう。
日本の何倍ものトリチウムを海洋放出している中国や韓国が、反対運動を先導している。科学的根拠を棚上げとして、この悪いイメージを政治利用している。
太平洋に放流しているのに、日本海側に影響が出る事は考えにくい事であるが、日本バッシングの口実を与えてしまっている事は避けがたい事実である。
処理水のトリチウムを完全に除去する技術は、莫大なコストが掛かるが実は存在する。しかし、自然界にも存在し人体にも影響を与えない程度まで低コストで希釈できるのに、完全除去する必要性があるのか?
世界の容認度や、日本の国民感情、コスト面など総合的に判断して、今回の方法がベストであると岸田政権は判断したのだろう。海は日本だけのものでは無く、世界や全生物の共有物である。
日本政府は今後も根気よく、処理の過程や科学的安全性を世界にアピールしていかなければならない。
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