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国際法の限界。

2024/01/28

今週、国際司法裁判所からイスラエルに対し、ガザ地区での戦闘行為についての「暫定命令」が出た。

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これは、ガザ地区でのイスラエルの戦闘行為が「ジェノサイド」(集団殺戮)に該当するとして、南アフリカが国際司法裁判所へ即時停戦を求めて提訴していた。

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イスラエルのガザ地区侵攻は、3か月にも及び死者数は2万人以上となり、その7割が女性や子供であると報告されている。

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国際司法裁判所は、判決には数年を要するとして、今回は暫定命令を発出したが「即時停戦」までは及ばなかった。

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本来、国際司法裁判所は国連加盟国での、国と国との紛争について裁定する機関であり、今回は南アフリカが「イスラエルはジェノサイド条約に違反している」との主張にて提訴した。(ちなみに日本は、戦争放棄の憲法との整合性が取れないとの理由で、ジェノサイド条約に加盟も批准もしていない)

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イスラエルは、南アフリカとは紛争当事国では無いと主張しているが、イスラエルがジェノサイド条約の加盟・批准国で有ることを理由に、条約を履行していないとして南アフリカは提訴した。

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今回、国際司法裁判所は「即時停戦」まで踏み込まず、「ジェノサイド防止の暫定措置」での命令にとどまったため、判決より効力の無い努力目標になってしまった。

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このような拘束力の弱い命令なので、イスラエルのネタニヤフ首相は「われわれはハマスに対して戦争をしているのであって、パレスチナの市民に対してではない。ハマスが市民を『人間の盾』に使おうとも、イスラエルは人道支援を機能させ、市民への危害を可能な限り避ける努力を続ける」と述べ、今まで通りガンガン攻めると自衛権を主張している。結果的に国際司法裁判所の命令や判決には拘束力はあるものの強力な執行手段は無く、イスラエルの戦闘行為を止めるには限界がある。ロシアのウクライナ侵攻もそうであるが、いくら国際司法裁判所が命令しても戦争は解決しないのである。自分の身は自分でしか守れない。世界の国際法は無力である。

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